日本は貧困とどう向き合ってきた??【歴史を追えば生活保護制度がわかる!!】 – 希望の福祉ブログ

日本は貧困とどう向き合ってきた??【歴史を追えば生活保護制度がわかる!!】

社会福祉士国家試験

こんにちは、希望です

今回のテーマですが、社会福祉士の対策として

「現代社会と福祉」「生活保護」の分野でよく出てくる

”日本の救貧の歴史”、現在の生活保護ができるまでの流れを

ポイントを絞ってお話ししていきたいと思います

実際にこんな問題が出題されたことがあります

第27回社会福祉士国家試験 問25
救貧制度の対象者として、正しいものを1つ選びなさい。
   1 .
恤救規則(1874年(明治7年))では、身寄りのある障害者も含まれた。
   2 .
軍事救護法(1917年(大正6年))では、戦死した軍人の内縁の妻も含まれた。
   3 .
救護法(1929年(昭和4年))では、労働能力のある失業者も含まれた。
   4 .
旧生活保護法(1946年(昭和21年))では、素行不良な者も含まれた。
   5 .
現行生活保護法(1950年(昭和25年))では、扶養義務者のいる者も含まれる

この問題にもたくさんの情報がありますので、これをもとにお話ししていきたいと思います

ちなみに正解は5番です

それではいきましょう!!

現在の生活保護法に至るまでのポイントの制度

国家試験によく出る救貧制度4つとキーワードはこんな感じです

  1. 恤救規則(1874)・・・無告の窮民のみ米代を支給
  2. 救護法(1929)・・・ここから国の責任で救貧が行われる。救貧の範囲が広がる
  3. 旧生活保護法(1946)・・・無差別平等の制度化。欠落事項がある
  4. 新生活保護法(1950)・・・現在の生活保護法

意外に歴史は古くは明治時代に遡ります

しかし、今からお話しする内容を聞けば

これらの日本の救貧制度は共通点もあり、そして確実に進化を遂げてきています

ここからは簡単に一つずつ見ていきたいと思います

恤救規則(1874)

これは日本初の救貧法になります

しかし、法律でしっかり定められていなかったこともあり

保護を受ける人はかなり限定的な人でした

キーワードは

「無告の窮民」です

それってどういう意味??

希望
希望

この時は

家族や親族による相互扶助が原則だったから

扶助を受けれる人が

身寄りのない70歳以上の老衰者、13歳以下の孤児

労働能力がある人が除外されたんだよ😇

無告の窮民にはそんな意味があり、

 

内容は米代としての現金のみとかなりあっさりしていました

これが救貧制度の始まりです

 

救護法(1929)

恤救規則以降しっかりとした救貧制度はなかなかありませんでしたが

1929年に救護法が制定されました

この背景には、関東大震災、世界恐慌などで困窮する人が多くなったことがあります

しかし恤救規則と比べ、かなり進化した制度となっています

希望
希望

この救護法を境に

国の責任で救貧が行われるようになったよ!!

この制度のポイントは以下の通りです

 

制度 恤救規則 救護法
対象者 ・70歳以上の老衰者と13歳以下の孤児が対象

(無告の窮民)

・65歳以上の老衰者、13歳以下の孤児、妊産婦、障害者も加わる
補償内容 米代の現金給付のみ 生活、医療、助産、生業、葬祭に関して現金給付

といったように救済の範囲が広がったのが一番の特徴です

しかし、変わらずに貧困でも労働能力がある人に関しては

救済の対象にはならないままでした

それが見直されたのがここからの生活保護法になります

旧生活保護法(1946)

ここから私たちの馴染みのある制度に近づいていきます

この旧生活保護法は法律で制度化され、制限扶助から一般的に扶助を受けれるようになりました

 

 

ここでのポイントを救護法と比べてみましょう!!

制度名 救護法 旧生活保護法
対象者 65歳以上の老衰者、13歳以下の孤児、妊産婦、障害者 無差別平等

素行不良、労働意欲のないものは除かれる

補償内容 生活、医療、助産、生業、葬祭に関しての扶助 →特に内容には変化なし

このようにこれまで扶助を受けるのに大きな制限がありましたが

無差別平等に誰でも基本的に対象になっています

これは現在の生活保護に近いものとなっています

「近い」ってどういうことですか??

希望
希望

基本的には変わらないけど

今と比べるとまだ制限があるんだ🧐

これを次で説明するよ!!

 

新生活保護法(1950)

現在の生活保護制度になります

憲法の25条生存権に基づく法律であることが明文化されました

旧生活保護法と比較してみるとこんな感じです

制度名 旧生活保護法 新生活保護法
対象者 無差別平等

素行不良、労働意欲のないものは除かれる

無差別平等

欠落事項なし

補償内容 生活、医療、助産、生業、葬祭

5つの扶助

生活、医療、助産、生業、葬祭に加えて

住宅、教育、※介護扶助

の8つの扶助となる

介護扶助は2000年から加わる

このように

  • 欠落事項がなくなった
  • 扶助の種類が8つになった

ことが大きなポイントです

これまで素行不良のあるものや働く気がないものは扶助の範囲外でしたが、

新生活保護法でその欠落事項がなくなり、

扶助の対象も教育、住宅に関しても扶助の対象となりました

希望
希望

現在の制度になるまでしっかり

進化してきてますね!!

最後に

恤救規則〜新生活保護法まで流れを見てきましたが

確実に制度が充実してきていますし、日本は弱者に優しい国と言われています

これらの内容は社会福祉士の試験範囲でもありますが、

歴史を見ていくと

進化したポイントがはっきりしています

こうやって覚えていくと頭に入りやすいかもしれませんね!!!

 

今回は以上になります

見ていただきありがとうございます!

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ではまた!!

 

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