こんにちは、希望です
今回のテーマは介護現場では必ずと言っていいほど訪れる
利用者とスタッフの”過渡期”についてです
ここで言う過渡期というのは
-
利用者の場合:状態の変化が起きる時期
-
スタッフの場合:人の入れ替わりや、新人が増える時期
介護の現場で仕事をしていると、

「あ、今は過渡期だな…」
と感じる瞬間があります。
利用者の状態が変わる時期も、スタッフの入れ替わりが起きる時期も、現場はいつも以上に忙しく、
いつも以上に気を張ることになります。
そして実は——
介護現場が一番バタつくのと事故が起きやすいのは利用者とスタッフの“過渡期”が重なる時です。
今回は、この“過渡期”がなぜ忙しく
なぜ事故が増えやすいのか。そして、どうやって乗り越えればいいのか。
私自身の現場経験を交えてまとめていきます
それではいきましょう!!
利用者の“過渡期”が事故を生みやすい理由

利用者の状態は、日々緩やかに変化しています。

この人は元気だから手がかからないな!
と言ったように”今は”元気で自立度の高い方でも、
年齢や疾患、環境の影響により、少しずつできることが減っていきます。
何より私たちも状態の変化に戸惑いやすいです

こんなに元気だったのに、、、、
どうケアしていけばいいのか??
と言うようにです
どの人にも必ず変化をやってくることを意識しておかないといけません
そしてこの
「元気 → 常に介護が必要になるまでの期間」こそ、最も事故が起きやすい時期 なのです
できる“つもり”とできない“現実”のズレ
過渡期の利用者は、今までできていた行動をそのまま続けようとします。
今までできていたこと、ルーティーンをやろうとするのは自然なことです
しかし、身体機能や判断力は少しずつ低下しているため、見た目以上に危険が増えています。
- ベッドからの立ち上がりが急に不安定になる
- 歩行スピードが落ちていても本人は気づかない
- トイレまでの距離が急に長く感じる
- たまに失禁するようになった
- 朝起きて来れなくなった
こうした小さな変化が積み重なり
転倒・転落・誤嚥・迷い歩きなどの事故が発生しやすくなるのです。

また、そういった方は介護慣れをしていないから
介入が難しいことがあるよ😇
逆に“介護状態が進むと事故は減る”という現実
介護に慣れていない人ほど

「重度の利用者のほうが事故が多いのでは?」
と思いがちです。
ですが、実際の現場ではその逆のことがほとんどです
- ADLが低下し、動作がゆっくりになる
- 危険な行動そのものが減る
- こちらが介助する場面が増える
- 本人も「できない」ことを自覚する
変な話ですが重度化したほうが事故はむしろ減りやすいと言えるんです
介護が必要な人であればあるほど私たちがしっかりすれば事故は起きにくいといえます
最も神経を使うのはこの
自分でできるようなケアが必要なような中途半端な時期である
“変化の途中”、まさに過渡期なのです。
スタッフの“過渡期”は現場全体を揺らす

もう一つの過渡期は、スタッフ側に訪れます。
介護の現場は、仕事内容の大変さや生活の変化などから、人の入れ替わりが定期的に起こります。

人の入れ替わりなんてどこでもあるのでは?
と言う声もあるかもしれませんが
介護業界は特に入れ替わりが激しい業界です
そして、これがまた現場を忙しくさせる大きな要因になります。
スタッフ過渡期に起きること
スタッフ側の過渡期は、現場全体の空気が大きく揺れ動くタイミングです。
一度に退職者が出たり、逆に新人が数名まとまって入ってきたり
さらにベテランの異動が重なることもあります。
こうした変化が一気に押し寄せると、いつもの流れが崩れ
業務全体のテンポがゆっくりになっていきます。
新人はまだ動線や手順を把握しきれておらず、利用者との関わりも手探りの状態です。
そのため、ベテランはフォローや説明に時間を使うことになり
現場全体に“忙しさとは違う種類のバタつき”が生まれます。
こうした時期に起きやすいのが、次のような状況です。

- いつもより業務の進行がゆっくりになる
- シフトの欠員が起こる
- 小さなミスや行き違いが発生しやすくなる
- ベテランの負担が一時的に増える
- 全体がそわそわした空気になり、心理的に落ち着かない
このように、スタッフの過渡期は「誰かひとり」ではなく
現場全体が少し不安定になる時期と言えます。
そして、しばらくすると必ず落ち着く
スタッフが慣れてくれば、業務は再びスムーズになります。
- 新人が動線を覚える
- 利用者の特徴が分かる
- 独り立ちするスタッフが増えて欠員が減る
ベテランがまた自分の仕事に集中できるこうして現場は安定し
徐々にバランスが取れていきます。
過渡期はしんどいけれどいつまでも続くものではありません
過渡期を乗り切るための3つのコツ

私がこれまで介護をを続けながら学んだ、過渡期を“少し楽にする”ポイントをまとめます。
小さな利用者の変化を全員で「拾う」
大きな変化より、微妙な違和感が重要です。
- なんとなく歩き方が変
- 立った時のふらつきが増えた
- ご飯の進みが遅くなった
- 夜間のトイレ回数が増えた
- 失禁が増えた
こうした小さな情報の共有が事故防止に直結します。
それらをみんなで共有して行くことで

・居室のレイアウトを変えて行こうか
・歩行器を使ってみようか?
・パットを導入しようか?
などの対策を打てるようになります
それだけでなく

この人はそろそろ過渡期かな?
とみんながその人にアンテナを張るようになります
新人さんの負担を下げる(過度に求めすぎない)
過渡期を少しでもスムーズに乗り越えるためには
新人さんが「迷わない仕組み」を作ることが本当に大切です。
新人は、動線・利用者の特徴・手順・優先順位……すべてが初めて。
いくらやる気があっても、情報量が多すぎるとパンクしてしまいます。
まずは

・絶対にしないといけないことは何??
・逆にやってはいけないこと(利用者のこだわりなど)
・時間指定なもの
「まずはこれだけできれば大丈夫だよ」と示してあげるだけで
新人さんの心の負担はぐっと軽くなります。
逆に、最初からあれもこれも…と求めすぎてしまうと、

ここは仕事が多すぎる・・・・
と錯覚しがちなので
慣れてきたタイミングを見て、少しずつステップを増やしていくほうが
新人さんにとっても優しいし、結局は現場全体の安定にもつながると思っています。
「今は過渡期だから忙しい」と認識して働く
なんだかんだこの意識を共有することが
一番大切と言っていいかもしれません

「なんでこんなにバタバタするの?」
「うまく回らない…」
と忙しいと思いがちですが
むしろ忙しくて当然なことです
“過渡期だから当たり前”
と分かっているだけで、気持ちが大きく消耗するのを防げます。
とはいえ回らないと不安や焦りが生まれるのは自然なことです
そんな時こそいわゆる業務改善です
やることを増やさないことが大切です

『やることを増やさない』については
こちらの記事【忙しい介護現場の逆転術】「やることを増やさない」ための3つの集中戦略で解説しているよ!!
おわりに・・・

過渡期はしんどいです。
でも、利用者の変化も、スタッフの入れ替わりも、
介護の現場では避けられないものです。必ずどの職場でもあると思います
しかしその中でも大切なのは

- 全員で変化に気づくこと
- 新人に優先順位を意識してもらうこと
- 「今は過渡期なんだと」と理解し合うこと
- 忙しければやることを増やさないこと
この3つを押さえるだけで、
現場のバタつきは大きく減っていきます。
みなさんの何か参考になると嬉しいです
今回は以上になります
みていただきありがとうございます
この記事がいいと思ったらシェアしてもらえると嬉しいです
ではまた!!
介護福祉士を目指している方はこちらから↓
|
|
|
|

コメント